はじめに
こっちのブログは、いつの間にか5年も放置しちゃってましたが、大きな節目があったので、いわゆる「退職エントリ」的なのを書いてみようと思います。
今年の9月末をもって株式会社ソニックガーデンを退社しました。10月からはフリーランスのプログラマーとして仕事をしています。2017年の4月から約6年半のあいだ、本当に色々な出会いや経験をさせてもらい、沢山の皆さんにお世話になりました。ありがとうございました。
5年前(2018年7月)のエントリは「11月に幕張メッセで開催されるkintone hack 2018には、ソニックガーデン社員として出場いたします」で終わっていましたね。その結果については、この辺に色々と載ってますので興味あれば。
- note - プロ業務ハッカーの心構え「まず自分自身の業務をハックせよ!」
- ASCII.jp - 猛者たちの競演が熱い!今年のkintone hack頂上決戦の覇者は?
- logmi - プログラマーが輝ける未来は、kintoneで実現できる 手段でなく“目的”として使うプログラミング
前回はソニックガーデン入社前後の波乱万丈を書いていましたが、2019年以降も公私共にかなり波乱万丈でありました…
今回も自分のふりかえりを兼ねて、書ける範囲でまとめてみようと思います。
今日までの経緯を時系列でまとめ
- 2019年2月
- 3人目の娘が生まれる
- kintoneエバンジェリストに任命される
- 2019年4月 このブログと並行してnoteをはじめる
- 2019年5月 地元富山でIT×働き方座談会を開催
- 2019年7月
- 家庭の事情により時短勤務を開始
- 業務ハック勉強会@富山に登壇予定だったがキャンセル
- 2019年10月 kintoneエバンジェリストを一期務めて引退
- 2020年
- 新型コロナウイルスによるパンデミック
- 自分の働き方はコロナ前後で全く変わらず
- 時短勤務はずっと続いておりプライベートがかなり大変だったが、コロナで世間がスローペースになったお陰で助かった面もあった…
- お客さん相手の仕事は控えめに、社内の情シス業務などを多めに担当
- 2021年春
- 地元の旧細入村に中古住宅を購入&リフォームして、家族で村に戻る
- 長女が小学校に入学
- 2021年夏〜冬 時短リモートワークしながら村でのんびり過ごす
- 2022年4月
- 「細入自治会連合会 地域づくり対策専門部会」に参加
- 地域ポータルサイト「神通峡すまいる」の管理人を引き継ぐ
- 移住者募集などの地域おこし活動に力を入れ始める
- 2022年5月
- 富山市教育委員会から、地元の学校を統廃合する案が提示される
- 地元の学校体育館で開催された説明会で反対意見を表明したところ、テレビニュースに思いっきり映ってしまう。
- これ以降、地元のテレビ・新聞から繰り返し取材を受けるようになる。
- 2022年6月 地域おこし→新潟県山古志村→錦鯉NFTと繋がって、web3にもハマる
- 2022年夏〜秋「細入みらい会議」に参加、地域づくりのアクションプランをまとめる
- 2023年冬〜秋 「細入みらい会議」のアクションプランをもとに、地域の子育て世代向けのイベントを何度も開催
- 2023年6月 時短勤務を4年ぶりに終了、フルタイム勤務に戻る
- 2023年9月
- IT勉強宴会 データモデリング合宿2023(浜名湖1泊)に参加
- ソニックガーデンを退社
- 2023年10月
- フリーランスのプログラマーとして仕事をスタート
- ソニックガーデン時代の担当のお客さんを継続して担当
こうして見ると、2019年の夏頃までは「kintone・業務ハックをこの調子でガンガンやっていくぞ!」と勢いづいていたのが、家庭の事情で突然ストップしてしまったのがよく分かります…
時短勤務、情シス、地域おこし
そんな長く続かないだろうと思っていたのですが、蓋を開けてみると4年間も時短勤務をしていました。思ったより色々大変でしたね。現実は綺麗事では行かないです。何度か「フルタイムに戻そうかな?」と考えるタイミングもあったのですが、「戻した結果やっぱり無理でした」となるとお客さんに多大な迷惑をかけてしまうので、お客さん向けの仕事はあくまで控えめに保って確実に成果を出せる範囲をキープしつつ、社内向けの情シス業務などを担当する日々でした。
情シスは、やってみると自分の気質にはものすごく合っていました。kintoneもそうですが、Google Workspace・OneLoginなどのSaaSサービスの仕様を細かい部分まで把握・管理するのが僕はかなり得意なようです。社員に無駄な面倒をかけず、かつセキュリティを担保して安全に使えるようにギリギリのラインを攻めるというのが、意外とクリエイティブでかなり楽しかったです。時短勤務と社内情シス業務はかなり相性が良いと思うので、時短勤務を考えてるプログラマーにはお勧めです!
少しずつ家庭の状況にも余裕が戻ってくる中で、本業をフルタイムに戻すことは慎重に様子を見つつ、2022年からは地域おこしの活動にかなり力を入れるようになりました。長女の小学校入学に合わせて地元に戻れた矢先、ちょうど富山市の学校再編計画が出てきて、このまま指を加えて見ているわけにはいかない!と火が付いたのであります。話せば長くなるのでここでは割愛しますが、地域おこしについてはnoteマガジンを作りました。今後はnoteで沢山語っていく予定なので、興味のある方はフォローしてやってください。
退職に至るまで
そんなこんなで、ようやく「自信を持ってフルタイム勤務に戻れる!」と決断できたのが2023年6月でした。しかし、この4年間で社内の環境も自分の考え方もけっこう大きく変わっていて、2019年7月の時点で思い描いていた「kintoneの面白さやソニックガーデン流のスタイルを富山で広く伝えたい!」という構想は、もはやしっくり来なくなっていました。
では今後どんなキャリアを歩んでいこうか?と考えた時に、地味でも良いので「目の前にいるお客さんが求めるシステムを高品質で作れるように、自分のスキルをもっと高めたい。特にエンタープライズ向けの業務システム設計を極めたい」と改めて思ったのでした。
このあたりを極めようと思うと、いわゆる「SIerの上流工程」的なスキル・型がとても大事になってきます。「正解がない中で仮説検証」よりも「今ある現実を広く捉えてグランドデザインを描く」必要があること。大きなピボットもないので「最後はキッチリ納品する」スタイルの方がうまくいくこと。その辺を考えていくと、自分のスタイルと会社のスタイルとのズレが無視できなくなってきました。色々と悩みましたが、ソニックガーデン内で頑張るよりも別の道を行くほうが自然だという結論に至りました。
かけがえのない時間
別の道を行くとはいえ、「自分なりにもっと高みを目指そう」とこれほど思えたのは、ソニックガーデンの物凄いメンバー達の中で一緒に歩んできたからこそです。以前の僕は「業務システムはダサい。Webがカッコいい」と思っていました。ソニックガーデンに入っていなかったら、今でもずっとそう思っていたかも知れません。kintoneを使った「納品のない受託開発」を一生懸命やってきたことで、「業務システム開発って素晴らしい!」と自信を持って言えるようになりました。この6年半は自分にとって間違いなく必要な時間で、かけがえのないものでした。
改めて、kintone hack 2018での登壇資料を貼っておきます。kintoneの話よりもソニックガーデンの話ばかりしていましたねw 結果的に退職することにはなりましたが、自分の人生の1ページとしては永久保存したいスライドです。
そして、僕が担当していたお客さんの多くは、今後も継続して僕が担当させてもらえることになりました。ソニックガーデンは「顧問弁護士」のような「顧問プログラマー」を提唱しているわけですが、今回の僕のパターンは、大手弁護士事務所から独立して個人事務所を構えたようなイメージでしょうか。そのような形で卒業させてもらえて、本当に感謝しています。
まだ一人だけの個人プログラマー事務所でありますが、もしかしたら今後大きくなるかもしれないし、ずっと一人でやるかも知れないし、ユーザー企業の社内エンジニアとして再就職しちゃうかも知れません。先のことはわかりませんが、今後もブログやnoteは不定期に書いていきますので、気が向いたら読んでやってください。
というわけで、近況報告でした。